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多数決は本当に民主的?正しく決断するのは無理ゲーなのか

公開日: : 息抜きコンテンツ

タイトルに”民主”を使いましたが政治の話をするわけじゃありません(そもそも、そういうサイトじゃないですよね笑)

 

どうやって僕たちは物事を「決める」のかについてです。

 

誰でも日々選択と決断を繰り返していますが、本当に僕たちは正しく何かを決めることができるのか?そもそもどうやって決断しているのか?を少し考えてみました。

 

 

何かを決断するという行為には大きくわけて「集団で決定する場合」と、「個人で決定する場合」がありますが、まずは集団で決定する時の話をします。

 

 

みんなで何かを決める時にその集団で最も能力が高い人に決定権を与え、その他の人は盲目的にその決定に従わなければならないという決定法もありますが、殆どの場合「多数決」を取るのではないでしょうか?

 

 

 

しかし,多数決は民意(みんなの意見)を一番反映しない考え方だと言われています。

 

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民意(意見)をまとめる方法はあるのか

 

民意を集約するルール(決定方法)は多数決以外にもたくさんあります。

 

 

例えば、有名なところではボルダルール。

 

 

1位に3点、2位に2点、3位に1点という感じで配点をして集計する方法。

 

 

この方法は1位しか投票できないシステムの場合に特に有効で、1位に圧倒的にな人気候補がいないが2位に選のはこの人だと決まっているようなケースでは、多数決では決して選ばれない2位の人がボルダルールの元では得点が最も大きくなることがある。

 

この場合、1位に選ばれた人は1定数以上の人が選んだ候補ではあるが、その人を選ばなかった大多数の人の民意を切り捨てているとも言える。

 

 

この2位を決めるという発想は意外と大事で、何をするのか決める際に1位だけを決めようとすると、票が分散します。

 

 

何を1位とするのかはその人次第ですが、いざ1位を選らんでみると、それだけは絶対にやりたくないという猛烈な反対意見がでたりします。

 

 

一番やりたいものと一番やりたくないものが多数決による決定法だと同一のものが選ばれる状況がありえるということです。

 

 

多数決とは結果に対して文句を言わない(言えない)ことが前提となったシステムであり、いわゆる”落とし所”がないのが特徴です。

 

 

しかし、ボルダルールにも欠点があります。

 

 

 

ニコラ・ド・コンドルセという人が指摘した問題で、ペアで比較すれば、必ずしも2位だけど得点が高い人が勝つわけではないことを指摘しました。

 

このように民意を集計する方法は多数決以外にもたくさんあり、それぞれに長短があり、すべての人が納得する決定方法は現在もまだ見つかっていません。

 

僕達一人ひとり望んでいることは異なりますが、その中間地点を上手くみつけて誰もが納得のできる”善”をみつけるためにはそれぞれの意見や要望を集約する方法が必要ですが、それは現時点ではほぼ不可能となりました(アローの不可能性定理を参照)

 

 

民主主義といえば話し合い

 

というイメージを僕たちはもっているし、そうであって欲しいですよね。

 

では、選挙の投票のような大規模な決定においても、十二分に話し合えばすべての人が納得する結論に到れるのではないかと思うかもしれませんが、これも実は難しい。

 

 

先程選挙のような大規模な決定に際して話し合いの末に答えを出すのは難しいと書きましたが、それこそが真の民主であるという考え方を「熟議的民主主義」といいます。

 

 

熟議民主主義とは決定をするのは誰かとか、その結果がどうなるのかを問うより、どうやって決定するのがよいことなのかを他の方法よりも重視している、といえるかもしれません。

 

※誤解のないように言っておきますが、民主主義の根幹は過程を重視する考え方であり、すべての人の意見を反映した共通善や一般意思を達成する方法ではなく、それに至るための方法の1つであり、民主主義の結果として何ができるのかを保障する考え方ではありません(興味があれば民主主義の本質と価値(ハンス・ケルゼン)などを参考に。

 

 

その熟議民主主義とは熟議という名前からもわかるとおりじっくり話し合う

 

 

これこそが民主主義だという印象を持つ人も多いと思いますし、そうであってほしいですね。

 

 

しかし、話し合いをしたとしても、多くの人が納得する”共通善(民意)”に到れることは、ほぼないと言っても良いでしょう。

 

熟議民主主義をかなり乱暴に説明してしまいましたが、話し合いですべてが解決できるようになるのは難しいだろうなというのはなんとなくわかりますよね。

 

 

でも、話し合いでなぜ解決しないのかその理由もなんとなく曖昧ですよね。(話し合いで解決できるとする根拠もないですけどね)

 

 

その1つの理由として個人的に思うコトとして、人には「極性化」という傾向があります。

 

 

人間にはかなり前から理論的に考えたり、話し込んだりすると極性化(二極化、分極化)する傾向があることが明らかになっています。

 

 

これがどんなことかを簡単に説明すると、ある問題に対して賛成か反対かを話し合うとします。

 

話し合う前から何となくでもほんの少しでも、とにかくちょっとだけ賛成だった人は話し合えばあうほど絶対賛成の立場に偏っていきます。

 

 

逆も同様に反対ならば絶対反対になる。

 

この理論が面白い(怖い)のは匿名だろうが実名だろうが、複数だろうが独りだろうが起こりえるそうです。

 

そして集団になったほうがこの傾向が強いそうです。

 

 

必ずしも極性化するわけではありませんが、だいたいこうなる。

 

 

極性化する主な理由としては集団になればなるほど、1発言の責任性が低くなる、2.周囲から認められたくてちょっと過激な意見を出そうとする人がでてくる、3.発言がフィードバックされてより過激になる

 

という3つが仮説として挙げられています。

 

ということは集団で話し合っても元々持っていた結論がより極まるだけで、意味がないんじゃないかという意見があるということです。

 

 

集団の意見を適切に集約する方法(多数決など)はなく、じっくり話し合っても適切な意見がでるとは限らない(極性化する)。

 

じゃあ一人ひとりが個人的にじっくり考えるしかないじゃないかという結論に至りますが、そこにも問題が潜んでいます。

 

個人の決定はただの好き嫌い

 

答えを先に言ってしまうと個人の決断とは”好き嫌い”です。

 

あることに賛成か反対かという問題に対して、僕たちは合理的に論理的に考えようとしますし、考えたつもりになっているけれども、結局は好き嫌いで決めています。

 

 

短い時間であまり良く知らないことに対して決断しなければならない時にその傾向はより顕著になります。

 

 

僕たちは選挙のたびに投票に行きますが、誰に投票するのかは結局好き嫌いです。

 

 

要するに候補者の顔とか、党に対する印象で誰にいれるかはほぼ決まっていて「X氏はAとBとCという公約を掲げているからY氏より良さそうだ」と思ってもそれは後付です。

 

 

最初に持ってしまった結論を裏付けるような情報や知識ばかりを僕たちは集め、最初にだした結論を論理的に合理的に判断した結果だと思い込む。

 

 

これは理性よりも感情が上回っているということです。

 

 

でも、これは便利な場面もあります。

 

 

例えば、昼食に何をたべるのかを決めるときにいちいち理性で考えていたら時間の無駄ですよね。

 

 

「昨日に夕飯はこれで、朝食がこれだったから、僕に必要な栄養素はこれとこれ。だけどA定食はカロリーが多い。しかしB定食には必要な栄養素がたりない。あ、そうだ。だったらB定食に小鉢をプラスしよう。あ、でもそうすると昼食の予算がオーバーするな」とかになってしまう。

 

で結局選んだものが最初に食べたいと思っていたA定食だったりするわけです。

 

 

じゃあ思い切って感情に任せて考えずに行動すれば良いのかという話をしたいわけではもちろんありません。

 

 

まあ、何も考えずに感情で行動してもあまり間違えないように人間のシステムはできているのも人間の面白いところなんですが(ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」)。

 

 

僕たちは意見を集約して誰もが納得するシステム的な方法論をもっていない。

 

じゃあ話し合えばみんなが妥協できるような良い結論を導き出せるかというと、それを保障してくれるような研究もないし、実体験においても常に話し合いがよい結果を産むわけではないこともわかっている。

 

では、集団がだめなら一人ひとりが賢くなればよいはずだが、僕たちは理性よりも感情を優先させてしまう傾向がある。

 

 

もう八方塞がりなんです。

 

 

でもですよ。

 

 

そういうものなんだと受け入れることができれば、いつもと決断の仕方が変わるかもしれせん。

 

 

あなたが出した決断、あなた達がだした決断が常に正しいとは限らないと思いとどまるきっかけになるかもしれません。

 

 

あることを決断したときに、好き嫌いで決めてるんだよなと踏みとどまってもう一度検討してみることができるかもしれません。

 

 

みんなで話し合ってだした結論も、結局は一番権力を持っている人にただただ追従しただけかもしれないし、最初から結論ありきで話し合っただけなのかもしれません。

 

 

もう一度検討するということは”遠回り”をするということです。

 

 

時間をかけてしかるべき知識や技術を見につけて物事を丁寧に見ていくことしか僕達に現状できることはありません。

 

 

僕達の個人の能力、集団としての能力なんてたいしたものじゃないという「絶望」を自覚することから始まる”遠回り”こそが、実は近道なのかもしれません。

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