ブレインフィットネスにおける運動の効果 やらない理由はない
ブレインフィットネス、日本語にすると馴染み深いのは「脳トレ」でしょうか。
ブレインフィットネスにおける運動とは脳を個人的にマネージメントすることを目的とし、その運動とは行動を変えることを意味しています。
病期の予防も意識的な行動の変化によってもたらされますが、なぜ脳を変える行動をするのが難しいのかというと、脳は”反復”によって成り立っているからです。
では何を反復するべきなのか?
ブレインフィットネス完全ガイドに紹介されている様々な脳トレの中から個人的に最も効果が高く、かつ多くの人が行うことができると感じた身体的なエクササイズについて紹介します。
脳の可塑性を活かすためにも自己観察
脳には可塑性(外界の刺激によって常に変化する)があるので、繰り返すことによって習慣化すれば変化していきますが、習慣となったシステムには遺伝的に継承したもの、すでに確立している反射的な習慣といったオートマチックな働きを変えることを意味するため非常に難しい。
そのためにまず何から始めればよいのかというと、自分がどのような習慣をもっているかを知るための「自己観察」です。
自己観察をするために有効な方法の一つに「マインドフルネス」という瞑想が、修練をつめばつむほど集中させる働きをもつガンマ派や海馬、大脳皮質の容量増加など脳の構造を変化させる研究結果が発表されています。
運動は認知機能を向上させるのか
結論から言えば、現時点では劇的に向上するとはいえないが、有酸素運動は脳の認知機能を高める可能性はかなり高い。
認知力そのものを対象としたエクササイズや課題のほうが効果があるとするアメリカ国立衛生研究所のメタ分析があるが、この研究発表以降運動が脳の認知機能改善に効果的であるとする研究は数多い。
運動の効果の特筆するべき点は効果が持続する期間が長いこと、身体的なエクササイズはその効果が多岐にわたるため、取り組むべきライフスタイルである。
認知機能に関しては高齢者を対象とした実験がほとんどだが、9歳と10歳の子供の認知機能において、運動によく取り組んでいる子供のほうが大切な情報に注意を向ける能力や、海馬の容量が大きいことが明らかになっている。
どんな運動をどのくらいやればよいのか
脳は反復しなければ構造は変わらない。
運動も定期的に継続して行わなければならない。
具体的には週3回、30分から60分の有酸素運動だ。
ただし、ブレインフィットネスに限らないが特にこの市場でみかける問題の一つが「全員に効いてすべての問題を一発で解決する特効薬を探してしまう」ことがあるが、そんな特効薬は存在しない。
有酸素運動もエアロビクスやウォーキング、ジョギング、バイクなど様々なものがあるし、生涯知的活動を続けることも脳の機能を向上させるのに有効であり、社会性を持ち続けることも重要だ。
それらをすべて取り込んで、ある本について友人と議論をしながらウォーキングしつつ、時にテンポをあげて心拍数をあげるという運動を実践するのも良いだろう。
ポイントはエクササイズの質も関係していること。
ただ歩くだけでは不十分であり、歩くだけでは気分転換にはなるだろうが、脳の認知機能を改善させるためには心拍数を上昇させる必要がある。
心拍数は最大心拍数の40~65%の間に留める強度が運動を始めた当初はよい。
そこから強度を高めていくことでどの程度効果がますかはまだまだ研究が続けられているが、少なくともほとんどの研究で推奨されているのは心拍数の平均をさきほどの40-65%の間で続けられる運動をすること。
65%の目安は会話をすることができるギリギリの強度と言われている。
個人的には心拍数計をつけて走ったり歩いたりしたほうがリアルタイムで心拍を測れるので、運動を続けるモチベーションになる。
心拍数に対して身体が感じる負荷には個人差があるだろうが、運動を開始してどのくらいの早く歩いたり軽く走れば50%以上65%未満の心拍になるのかを体感で知ることによって、運動に対してハードルが下がるはずだ。
少し頑張って55%から65%の運動を30分以上続ければ脂肪が燃焼し、気分を安定させるセロトニンの原料が身体の中に流れ出す。
脂肪もへり、気分が安定してくるので初期のうつにも効果があり、かつ認知機能が改善する運動にはやらない理由は何一つない。
いきなり激しい運動にチャレンジすれば怪我につながるが、徐々に負荷をかけていけばよいので、その点も心拍数計で数字を計測することは怪我の予防という点でも意味がある。
最初から30分できなければ、自分にいまできる分数でいい、次の日にその時間を1秒伸ばす気持ちで外にでればよいだけだ。
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