有酸素運動と脳トレどちらが脳に効果があるのか?
有酸素運動をすることで脳が鍛えられることは有名ですが、この本が出版されたことが大きいと思います。
一方ゲームにもなった脳を鍛えるトレーニングである”脳トレ”、一体どちらのほうがより脳への効果があるのか私には疑問だったのですが、どうやらそれぞれ脳機能の改善する項目が違うようです。
Contents
脳トレと有酸素運動が鍛える脳機能とは
脳トレ:実行機能
有酸素運動:記憶力
オープンアクセス誌「Frontiers in Human Neuroscience」に掲載された論文によると、
研究対象:56~75歳、座って過ごすこと多いが健康な人
研究期間:12週、週3回
脳トレで実施した項目:戦略的注意・総合分析・問題解決脳力の向上を目的としたトレーニング。
有酸素運動内容:トレーニング前後に5分ずつの準備運動とクールダウンと50分間のマシンを使用した歩行かエアロバイクによる運動。
最大心拍数を上限75%、下限を50%に維持する。
この研究は認知症発症リスクを調査したものではなく、あくまでもそれぞれのトレーニングがどのように脳の血流をアップし認知機能に影響を与えるのかを調査したもの。
結論:有酸素運動も脳トレもそれぞれ行うべきである。
実行機能とは
有酸素運動によって改善する可能性がある脳の認知機能「記憶力」は調べなくても検討がつきますが、実行機能とは一体どんな脳力なのでしょうか?
今回の記事を書くにあたって参考にさせてもらった記事における実行機能とは
目標を定め、その目標の為に自己管理しタスクを遂行していく能力の事で、目標に対して臨機応変に対応し実行すること。http://www.nounow.jp/exercise/2535/
脳科学辞典という脳に関するウィキペディアのようなサイトによると、思考や行動を制御する認知システム、あるいはそれら認知制御機能、ということになるそうです。
ではこの機能のより具体的にすると、新しい行動パターンの促進、慣れない状況における行動の最適化に重要な役割を果たすそうです。
さらに、人間の目標志向的な行動を支えているとされている点からもこの機能の重要さがわかります。
この機能が衰えてしまうと、目標に向かって段取りを取れず行動できなくなってしまいます。
段取りが必要な日常生活における行動として代表的なのが「料理」と、リモコンを使った電化製品の利用といわれています。
これら2つの行動ができなくなってしまった時は、認知症の初期症状の可能性があるので、医療機関による診察を受けることをお勧めします。
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