バランスを鍛えると「頭と体」のバランスも最適化されるのか
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最終更新日:2016/12/02 脳関連のコラム
バランス能力とは静止または動的動作における姿勢維持の能力です。
この能力は高齢者においては「立つ」「歩く」という生活機能上の重要な要素と考えられていることから、転倒の予防という観点から体力を測定する際の重要な項目と考えられています。
若者においては姿勢を維持する充分な筋力があるためあまり問題となることはありませんが、姿勢の保持には脳が中枢処理を行ない、出された司令を骨格筋が実行するという総合的な機能がバランス能力には関わっており、かつトレーニングをすることで能力の向上が見込みことが研究で明らかになっていることから、どの年代においてもバランス能力を鍛えることは脳と体のバランスを取る意味でも重要であると考えられます。
赤字部分参照:厚生労働省E-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-009.html)
バランス感覚を養う上でも、現状自分の運動能力がどの程度なのかを把握する意味でも有用だと考えられているのが「閉眼片足立ち」テストです。
「平衡性(バランス能力)」のチェック方法
- 手を腰にあて左右どちらでも立ちやすい側の足で立つ
- 上げるほうの足は自分のやりやすい位置まで上げる
- 上げた足が軸足に触れる、軸足が地面からずれる、あげた足が床についたら終了
2回行い長い方の時間を記録します。
各年代の平均は以下の通り
参照:中央労働災害防止協会 体力測定評価基準より
年齢/性別 | 男性 | 女性 |
20 | 40 | 38 |
29 | 32.5 | 32.5 |
34 | 28.6 | 29.3 |
39 | 24.7 | 25.8 |
44 | 20.9 | 22.2 |
49 | 17.2 | 18.4 |
54 | 13.5 | 14.5 |
59 | 9.8 | 10.4 |
64 | 6.1 | 6.1 |
これはあくまでも平均ですので目標はもっと別の数字です。
50代で20秒、60代後半で10秒を目指すべきだと内科・循環器科の頁に掲載されているので50代以降の方は20秒もしくは10秒を目標にしてみましょう。
動画でバランス測定の方法を確認したい方は以下の動画で確認できます。
また動画の最後3分過ぎに年代別バランス測定評価表が紹介されています。
ちなみに厚生労働省の掲げる目標は閉眼ではなく開眼での片足立ちの数字を出しています。
厚生労働省は開眼片足立ちが20秒以上できる人の割合を「健康日本21」の数値目標として掲げ、2010年に「75歳以上の男性で60%以上女性で50%以上」を目指す(2006年では男性約39%女性約21%)こととしました。https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-062.html
やってみるとわかりますが、これ意外に難しいです。
スポーツ万能と思われる武井壮さんは38秒が目標なのになんと・・・。
バランストレーニングのやり方
厚生労働省のE-ヘルスネットに紹介されているバランストレーニングは「バランスボール」やバランスボールを半球状にしたような器具「バランスディスク」などを使用して、不安定な支持面を作り姿勢を維持する運動がバランストレーニングとして紹介されています。
特にバランスボールはコアエクササイズにも利用され体幹も鍛えれるとかかれていますが、不安定な支持面という状況に関しては否定的な見解も紹介されています。
1.転倒などの事故のリスク
2.不安定な支持面という状況は実動作とかけ離れているのではないか
バランスボールやバランスディスクを購入しなければいけないという金銭的な負担や、バランスボールは狭い場所ではやりづらいという問題もあるので、バランスの練習としてオススメしたいのはヨガの「木のポーズ」と継続して閉眼(もしくは開眼で)片足立ちを練習することです。
閉眼片足立ちが苦手な人や高齢者が実施する場合は慣れるまでは転倒を防止するためにも椅子やテーブルに手をつけて実践してみてください。
お腹に力をいれて体のコアを意識しながら、ゆっくりと呼吸をすることを意識してください。
個人的に最もおすすめなのはヨガの木のポーズです。
この動画の解説が非常にわかりやすいです、が地面に根付いている感覚をつかんでから少しずつ足を上げていくのですが、足の上げ方として、そもそもどのように空中に浮かす方の足の姿勢を創るのかについての説明は必見です。(動画1分~)
足がどうしてもぐらぐらしてしまう場合は両足を地面につけたまま行うのですが、その際はどのような姿勢を作ればよいのかなども参考になります。
その他にもバランスを鍛える練習方法としては
1.電車のつり革につかまらずならべく足を閉じて立つ
2.目を閉じて手を前にだしてその場で足踏みを30~50回する
2.を行った後は目を開けたときに元の位置から離れていたらバランスの練習がもっと必要です。
閉眼片足立ちやってみた
はじめて閉眼片足立ちに挑戦した時は左も右も大体16~18秒ぐらいでぐらついてしまいましたが、数回練習するとコツがつかめてきました。
現在は30秒から40秒ぐらいはできるようになったのですが、僕が実践してみて感じたことは
・軸足を固くしすぎず膝を柔らい状態にしておくこと
・踵とつま先をしっかりと地面につけるような意識で立つ
とくに軸足の膝をかるく曲げて柔らかくしておくことは重要だと思います。
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